遺伝子 / DNA

 

※この文は2005年に書いたものです

ヒトの細胞数は約60兆個ともいわれ,そのすべての細胞の中にDNAが組み込まれています.細胞の核やミトコンドリアに染色体があり,人の染色体は23対・46組から成り立っています.染色体は遺伝子 / DNAに様々な遺伝子情報として組み込まれている集合体で,ヒトのDNAの塩基数は約32億個もの塩基対に達し,このような長いDNAが1つ1つの細胞の中に折り畳まれています.
親と同じものを作る遺伝子情報を全部持ったDNAを「ゲノムDNA」と呼び,DNAからは生命の成長・維持活動に必要な約8~10万種あると推定されている蛋白放出のたびに部分的に1分位で複製されていきます.また,傷害した組織再生や生体恒常性を保つためにも細胞分裂をおこないます.
2003年4月,ヒトゲノムの塩基配列解読が終わり,約32,000の遺伝子がみつかったと報告され,現在では約26,000と考えられています.さらに,ジャンクDNAも蛋白形成に関与していることが解ってきています.現在に至るまでタンパク質の機能解析(プロテオーム)が盛んに進められ,生物学で集められた実験データ等と情報科学を用いたバイオインフォマティクス分野が急速に発展し,これまでに集積された大量のタンパク質の配列・DNAの配列がデータベース化されコンピュータで生物学の研究をすることが可能になりつつあります.
近い将来,ゲノム研究の進歩に伴い遺伝子の機能を調べて病気の診断や治療にいかすことや癌治療の更なる発展のために研究されています.

学校で習った細胞分裂,人への分化を表しています.
受精後,精子のミトコンドリアは消失し,父親と母親の遺伝子 /DNA が無作為に融合し,細胞増殖する. 受精後,二乗倍数で分裂していき,赤ちゃんが生まれる. 人は約60兆個の細胞から成る.同じこどもが生まれる確率は1億分の1

歯並びや顎関節症は従来通りの歯科治療をおこなうとしても,近未来,遺伝子工学が経済と伴に発展し,歯科においては義歯やインプラント(人工歯根)に置き換わって第三の自分の歯を萌えさせること,歯周病の回復,腫瘍や口腔癌の治療ができる時代がくるでしょう.その基礎的な組織工学をDNAを通じて考えてみましょう.

1. 遺伝子ってどんなん

1) 人の細胞

細胞の設計図・遺伝子 / DNA
ミトコンドリア 細胞が働くATPを合成
小胞体 タンパク質など物質の合成の場
リボソーム タンパク質を合成.小胞体にも付いている
ゴルジ体 小胞体で作られた物質を加工・仕分けし細胞の外へ作分泌.細胞内で合成されたタンパク質を取り込んでその性質を変え、細胞膜などの目的地にきちんと運ばれるようにする役割を担う.
細胞膜 細胞骨格(マイクロチューブル / マイクロフィラメント)と呼ぶタンパク質の微細な管や網目で支えられ、細胞の形を保つ.
細胞膜 脂質ででき,細胞内液は水に塩分やミネラルなどが溶け込んだもので,細胞自体は主にタンパク質でできている

* 細胞内では細胞内液を仲立ちにして,遺伝子に基づいてアミノ酸を作り,さらにアミノ酸をつなげてタンパク質などの様々な物質が構成.条件が整うと細胞は遺伝子をコピーして分裂し,増殖する.
人は体重10kgあたり細胞10兆個,約60兆個の細胞の集合体です.( 身長175cm,60kgより重い人は脂肪細胞かな ? )
人は致命的な病気がなければ,胎生期から約50回の細胞分裂を繰り返し,テロメアが尽きたときにアポトーシスへと向かい,その生涯を終える.

2) DNA

地球上にはさまざまな生物が生存し,生物の体は細胞が集まってできていて,それぞれの生物はみな自分と同じ生物を生み出して生きています.では,なぜ同じ生物が生まれてくるのでしょう.これは細胞から細胞へ,親から子へ同じ性質が遺伝しているからです.細胞の中にあるDNAには遺伝情報である「生命の設計図」が書き込まれていて,親と同じ性質を子へ,子から孫へと伝えていく役割をしているます.親と子がよく似ているのはこのためです.
ヒト細胞の核内には23対の46染色体数があり,これらのうち22対は母親と父親からそれぞれ1つずつ子供に伝えられたものが対になっていて常染色体と呼ばれます.常染色体は長いものから順に1番から22番まで番号がついています(21だけは22番より短くなっています).残り1対の染色体は性染色体と呼ばれ,子供の性別を決定します.受精の際に母親からはXと父親からのXが受精に関与すると子供はXX(女性),母親のXと父親のYが関与するとXY(男性)の子供が生まれます.性決定には X染色体の数は性別決定に関係なく,Y染色体を持つかどうかが性別決定に重要なことがわかっています.この性別決定にはY染色体の末端付近にあるSRYという遺伝子が関与しています.SRY遺伝子の塩基配列は性別判定の検査にも利用されています( 例外として染色体のクロスオーバーによってSRYがXに移動するとXXの子孫でも男性的な特徴をもち,また何らかの原因でSRYをYから失うと子孫は XYでも女性的な特徴を持ちます ).
遺伝子は DNA の中に含まれ,DNAは分子量(分子の数)数百億を超える超巨大分子で,細胞の核の中に棍棒状にまとまった「染色体」としてしまわれています.

人の染色体は23対で46染色体数,22番染色体までは男女差はなく,男はXYで一対,女は XX染色体の一対の性染色体と呼ばれる染色体を持つ.子供の性別を決定します.受精の際に母親からはXと父親からのXが受精に関与すると子供はXX(女性),母親のXと父親のYが関与するとXY(男性)の子供が生まれます。 遺伝子は、細胞を作るためのタンパク質の設計図で60兆個の細胞から成り,ヒトの1細胞の23対に,約32億の塩基対は約32,000個の遺伝子から20万種類のタンパク質ができていると考えられている.

遺伝子は全ての生物が共通に持っていて,生物が持っている遺伝情報の単位です.勿論,ウィルスや細菌などにもあります.染色体は巨大な糸巻きのようなもので,ヒストンというタンパク質のまわりにDNA鎖が巻き付いています.
遺伝子を作っている物質はデオキシリボ核酸 /DNA と呼ばれる4種類のヌクレオチド(塩基)と塩基を連鎖するポリメラーゼというものからできていています.
4種類のヌクレオチドはアデニン/A,チミン/T (RNA時に転写される時にウラシル /U ),シトシン/C,グアニン/G と呼ばれる塩基配列ています.さらに,DNAの鎖は2本がらせん階段のようにペアになった構造(2重らせん構造)で並んでできていて,これをダブルへリックス(Double Helix)といいます.
A・T・G・Cはお互いに対になって結合した並び方(塩基配列)に生命の設計図が書かれています.
塩基は相補性(complimentary)をもつため,プリンはいつもピリミジンと向かい合って,このへリックス構造は塩基10個で1回転します.アデニンとチミンの間は2つ,シトシンとグアニン間には3つの水素結合があり,二本鎖構造を保っています.言い換えますと,プリン(Purine) A=T,ピリミジン(Pyrimidine) G≡C という組み合わせをします.タンパク質をコードする遺伝子はこれらの4つの塩基が正しい順番でならんだ構造をとっています.
2重らせん構造上のA・T・G・Cの組み合わせは,必ず決まった ペアをつくり,1本のテープ(鎖)があれば必ずもう一方のテープ(鎖)を再現できます.ダブルへリックスの外側は糖-リン酸骨格があり,リン酸基のためにDNAはマイナスに帯電しています.
生物はこの原理を使って,親と同じ設計図を子へ伝えていきます.人間のDNAではこの分子のペア(塩基対)22対 + XX またはXY(男女を決定する染色体)の23対に,約32億塩基対はそのほとんどの配列はすでに決定されて並んでいて,これは辞典700册以上,新聞の朝刊約25年分もの文字量に相当します.

プリン / Purine ピリミジン / pyrimidine
DNAは遺伝情報を伝え.DNAを構成する塩基はアデニン /Aチミン/ T (ウラシル /U )グアニン /Gシトシン/ Cとそれらをつなぐポリメラーゼからなる.この配列と連結の違いで様々な蛋白が作りだされる.人は,全ての蛋白が正常に働いてはじめて健康であり,蛋白に異常が起きたり,働かなくなると病気に罹る. A = T ( U ) は二重結合G≡C は三重結合活性酸素などでDNA連鎖配列は安定したA = T の二重結合よりG≡C の三重結合部が不安定で壊れ易い.  DNA鎖が切れているかどうかを調べるには,尿中に排泄される8ヒドロデオキシグアノシンをPCR法で増幅させて検査することができます.

遺伝情報の中身は主として,アミノ酸の集合体であるタンパク質をつくるための情報(タンパク質の設計図)と,どのタンパク質をいつ,どこで,どれだけ作るかという発現制御の情報から成り立っています.
生物はタンパク質の他に,炭水化物,脂肪などの沢山の物質からできていますが,これらの物質は素材からタンパク質(酵素)によって合成されるので,本質的には炭水化物,脂肪などの合成に係わるタンパク質をつくる設計図があればよいこととなります.
DNAのもつ遺伝情報には,大きく分けて以下の3つの情報があります.
(1) 生物の形や働きに必要な全種類のタンパク質の構造(アミノ酸の配列)を指定する情報.
(2) タンパク質の種類をいつ(時間),どこで(部位),どれだけ(量)つくるかという情報.
(3) DNA自体を複製するための情報.
あらゆる生物の体は全てタンパク質が基となってできています.例えば,細菌は約3,000種類もち,人間では数万~約20万種類のタンパク質があると考えられ,目下研究中です.
ヒトのDNAの塩基数は約32億個にも達し,このような長いDNAが1つ1つの細胞の中に折り畳まれているのです.親と同じものを作る遺伝子情報を全部持ったDNAを「ゲノムDNA」と呼び,DNAからは生命の成長・維持活動に必要な約20万種あると推定されている蛋白放出のたびに部分的に複製されていきます.

このDNAこそが私達が生命の神秘を解明し,理解するためにより深く知る必要のある対象なのです.
DNAはこれらの遺伝情報をもとにして,タンパク質を作り,親と同じ性質をもった子のDNAをつくっているのです。

流産はこの遺伝子の交配がうまくいかなかったときに起こるのです.

2. 蛋白のできかた

1) アミノ酸とコドン

アミノ酸は三大栄養素のひとつで,蛋白質を構成する“部品”

人間の体は60~70%が水分で,体重の約20%が蛋白質です.筋肉や消化管,内臓をつくる他に血中のヘモグロビンや髪,皮膚に必要なコラーゲンなども蛋白質の一種で,蛋白質を構成する“部品”が約20種類のアミノ酸です.
そのうち9種類が人間の体内で合成できないもので,“必須アミノ酸 / 不可欠アミノ酸”とよばれています.トリプトファン,メチオニン,リジン,フェニルアラニン,ロイシン,イソロイシン,バリン,スレオニンの8種とヒスチジンは体内で作られますが,急速な発育をする幼児の食事に欠かせないことから1985年からこれも必要なアミノ酸として加わるようになり,合計9種類が必須アミノ酸と呼ばれています.これらは私たちの体内では合成されません.これらのアミノ酸は食べ物として摂取する必要があり,ひとつでも欠けると体を正常に保つことができなくなります.

一方,体内で合成できる11種類のアミノ酸を“非必須アミノ酸”といいます.これらは食事からとる必要がないわけではなく,必須アミノ酸と同様に一定量をバランスよく摂取することが大切です.

アミノ酸 略語 mRNAの遺伝暗号 DNAの遺伝暗号 はたらき
スレオニン T /Thr ACU,ACC,ACA,ACG ACA,ACC,ACG,ACT 成長促進、肝臓に脂肪が蓄積して脂肪肝になるのを防ぐ
アルギニン R /Arg CGA,CGC,CGG,CGU , AGA,AGG AGA,AGG,CGC,CGG, CGT,CGA 脳下垂体に働きかけて成長ホルモンの分泌を促す. また血行促進、免疫機能の向上、肝機能増強、脂肪の燃焼などの作用も
ヒスチジン H / His CAT,CAC CAT,CAC 成長に関与、神経機能の補助、紫外線の害を防ぐ
イソロイシン I / Ile AUA,AUC,AUU ATA,ATC,ATT 筋肉タンパク質の主成分
ロイシン L /Leu UUA,UUG,CUA,CUC, CUG,CUU TTA,TTG,CTA,CTC, CTG,CTT 筋肉たんぱく質の主成分。さらに肝機能を増強する働きも
フェニルアラニン F / Pen UUC,UUU TTC,TTT 脳と神経細胞の間で信号を伝達する、神経伝達物質となる必須アミノ酸で、抑うつ症状を解消し気分を高揚する働きがある
リジン K / Lys AAA,AAG AAA,AAG 体の組織の修復や成長、抗体、ホルモン、酵素の合成、ブドウ糖の代謝や肝機能の増強、脂肪の燃焼に関わったアミノ酸
メチオニン M /Met AUG ( 開始コドン ) ATG ( 開始コドン ) 血液中のコレステロール値を下げたり、活性酸素を取り除く作用がある。不足すると肥満の原因に
トリプトファン W/ Trp UGG TGG 脳内ホルモンのセロトニンやメラトニンや成長ホルモンの分泌を促す
バリン V / Val GUU,GUC,GUA,GUG GTT,GTC,GTA,GTG 筋肉たんぱく質の主成分
UGA(終止コドン) TGA(終止コドン)
非必須アミノ酸
グルタミン Q /Gln GAA,GAG CAA,CAG 筋肉のたんぱく質合成を補助する
アラニン A /Ala GCU,GCC,GCA,GCG GCA,CGT,GCC,GCG 脂肪の燃焼に関わっている
プロリン P /Pro CCU,CCA,CCG,CCC CCA,CCT,CCG,CCC 脂肪の燃焼に関わっている
グリシン G /Gly GGU,GGA,GGC,GGG GGA,GGT,GGC,GGG 保湿作用、制菌作用、キレート作用、酸化防止作用が
アスパラギン N /Asn AAC,AAU AAC,AAT 水分解されるとアスパラギン酸に変化する
グルタミン酸 E / Glu GAA,GAG GAA,GAG 脳の働きを高める、潰瘍の治癒を早める
アスパラギン酸 D /Asp GAU,GAC GAT,GAC 体内の老廃物の処理、肝機能の促進
システイン C /Cys UGU,UGC TGC,TGT 傷の治癒の促進、ブドウ糖の代謝、皮膚へのメラニン色素の沈着を防ぐ
チロシン Y / Tyr UAC,UAU, TAC,TAT, 甲状腺ホルモンや、皮膚や髪の黒色色素であるメラニン、神経伝達物質であるアドレナリン・ノルエピネフリン・ドーバーミンを生成する原料
セリン S / Ser UCU,UCC,UCA,UCG, AGU,AGC AGG,AGT,TCA,TCC, TCG,TCT 天然保湿因子の主成分で皮膚の潤いを保つ
UAA (終止コドン) UGC (終止コドン) TAA (終止コドン) TAG (終止コドン)

体内にある蛋白質は日々合成と分解を繰り返し、成人の場合,1日に約180g前後のたんぱく質が使われます.そして、一部は老廃物として 体外へ排出されるため,約80gは食べ物から補給しなければなりません.

コドン

御自分の DNA から翻訳する mRNA の遺伝暗号と翻訳された DNA の遺伝暗号を上記の表に記してありますが,蛋白の基となる食物から供給する必須アミノ酸(9)と自分でつくれる非必須アミノ酸(11)は計20種類あります.
mRNAに翻訳されるとき T / チミンは U /ウラシルに変換されますので,mRNA 上の A,T(U),G,C の配列はアミノ酸の鎖になり,必要な部分だけが複写されて蛋白が合成されます / 翻訳( translation ).
アミノ酸のコードは遺伝情報である A・T (U)・G・C の 4種の塩基分子のうち3つが組み合わさって1セットとなり,1つのアミン酸となります.これはコドン( codon )と呼ばれる情報単位で,1つのコドンがある1つのアミノ酸の生産を指示します.
組み合わせは,4種の塩基のうち分子3つが組み合わさるので,43 = 64 種類までのアミノ酸を表わし,生産を指定できます.さらにコドンは多数集まり,遺伝子を構成してタンパク質の生産を指示します.
たとえばATGはメチオニン(M /Met),GAAはグルタミン酸(E / Gul)に対応しています.4種類の塩基を3つ組み合わせると(4種類X4種類X4種類=64種類)のアミノ酸をコードできますが,実際に蛋白を構成するアミノ酸は20種類しかなくいくつかのアミン酸のコードは重複しています(コドン対応表参照).
例えば,翻訳はコンセンサス配列の下流にあるメチオニン(M)から始まりますので,ATG (AUG) が開始コドンです.このペプチド鎖の合成はトランスファーRNA(tRNA)によって行われます.アルギニン(R / Arg)をコードするコドンは6つあります.
アミノ酸以外に翻訳をストップさせる終止コードは TAA,TAG,TGA (UAA,UAG,UGA) の3種類あります.

遺伝子の読み方

解っている範囲で,遺伝子配列はインターネットで無料,有料のいずれかで調べることができます.
歯科で使われている歯周組織再生に幼弱ブタの歯胚から加熱抽出されている アメロジェニン蛋白(エムドゲイン)を例をとりますと,いろんな研究所で約86のDNAシーケンスが調べられています(2005年調査).

Location Symbol Title MIM†# Disorder Comments Method Mouse
Xp22.3-p22.1 AMELX, AMG, AIH1, AMGX Amelogenin 300391 Amelogenesis imperfecta, 301200 (3) also Y REa, A, Fd X(Amel)

1: AY694861 Reports
Homo sapiens clone Ycc_9 AMELX gene, partial sequence gi|53829480|gb|AY694861.1|[53829480]
2: AY694860 Reports
Homo sapiens clone Ycc_8 AMELX gene, partial sequence gi|53829479|gb|AY694860.1|[53829479]
3: AY694859 Reports
Homo sapiens clone Ycc_79 AMELX gene, partial sequence gi|53829478|gb|AY694859.1|[53829478]
4: AY694858 Reports
Homo sapiens clone Ycc_78 AMELX gene, partial sequence gi|53829477|gb|AY694858.1|[53829477]
5: AY694857 Reports
Homo sapiens clone Ycc_77 AMELX gene, partial sequence gi|53829476|gb|AY694857.1|[53829476]
6: AY694856 Reports
Homo sapiens clone Ycc_76 AMELX gene, partial sequence gi|53829475|gb|AY694856.1|[53829475]
7: AY694855 Reports Links
Homo sapiens clone Ycc_72 AMELX gene, partial sequence gi|53829474|gb|AY694855.1|[53829474]
8: AY694854 Reports
Homo sapiens clone Ycc_71 AMELX gene, partial sequence gi|53829473|gb|AY694854.1|[53829473]
9: AY694853 Reports
Homo sapiens clone Ycc_7 AMELX gene, partial sequence gi|53829472|gb|AY694853.1|[53829472]
10: AY694852 Reports
Homo sapiens clone Ycc_69 AMELX gene, partial sequence gi|53829471|gb|AY694852.1|[53829471]
11: AY694851 Reports
Homo sapiens clone Ycc_68 AMELX gene, partial sequence gi|53829470|gb|AY694851.1|[53829470]
12: AY694850 Reports
Homo sapiens clone Ycc_67 AMELX gene, partial sequence gi|53829469|gb|AY694850.1|[53829469]
13: AY694849 Reports
Homo sapiens clone Ycc_66 AMELX gene, partial sequence gi|53829468|gb|AY694849.1|[53829468]
14: AY694848 Reports
Homo sapiens clone Ycc_65 AMELX gene, partial sequence gi|53829467|gb|AY694848.1|[53829467]
15: AY694847 Reports
Homo sapiens clone Ycc_64 AMELX gene, partial sequence gi|53829466|gb|AY694847.1|[53829466]
16: AY694846 Reports
Homo sapiens clone Ycc_62 AMELX gene, partial sequence gi|53829465|gb|AY694846.1|[53829465]
17: AY694845 Reports
Homo sapiens clone Ycc_61 AMELX gene, partial sequence gi|53829464|gb|AY694845.1|[53829464]
18: AY694844 Reports
Homo sapiens clone Ycc_6 AMELX gene, partial sequence gi|53829463|gb|AY694844.1|[53829463]
19: AY694843 Reports
Homo sapiens clone Ycc_59 AMELX gene, partial sequence gi|53829462|gb|AY694843.1|[53829462]
20: AY694842 Reports
Homo sapiens clone Ycc_57 AMELX gene, partial sequence gi|53829461|gb|AY694842.1|[53829461]

その1例・AY694861 Reports を紹介しますと

開始コドンATG終止コドンは TAA,TAG,TGA LOCUS AY694861 5331 bp DNA linear PRI 31-JUL-2005DEFINITION Homo sapiens clone Ycc_9 AMELX gene, partial sequence.ACCESSION AY694861VERSION AY694861.1 GI:53829480KEYWORDS .SOURCE Homo sapiens (human)ORGANISM Homo sapiensEukaryota; Metazoa; Chordata; Craniata; Vertebrata; Euteleostomi;

Mammalia; Eutheria; Euarchontoglires; Primates; Catarrhini;

Hominidae; Homo.

REFERENCE 1 (bases 1 to 5331)

AUTHORS Hammer,M.F., Garrigan,D., Wood,E., Wilder,J.A., Mobasher,Z.,

Bigham,A., Krenz,J.G. and Nachman,M.W.

TITLE Heterogeneous Patterns of Variation Among Multiple Human X-Linked

Loci: the Possible Role of Diversity-Reducing Selection in

Non-Africans

JOURNAL Unpublished

REFERENCE 2 (bases 1 to 5331)

AUTHORS Hammer,M.F., Garrigan,D., Wood,E., Wilder,J.A., Mobasher,Z.,

Bigham,A., Krenz,J.G. and Nachman,M.W.

TITLE Direct Submission

JOURNAL Submitted (21-JUL-2004) Dept. of Ecology and Evolutionary Biology,

University of Arizona, 1041 E. Lowell St., Tucson, AZ 85721, USA

FEATURES Location/Qualifiers

source 1..5331

/organism=”Homo sapiens”

/mol_type=”genomic DNA”

/db_xref=”taxon:9606″

/clone=”Ycc_9″

gene <1..>5331

/gene=”AMELX”

/note=”coding region not determined”

ORIGIN

1 gggtttgcct gtatgagaaa gtgggattgg gccagaagga tatgggcaaa gaagggccgc

61 catactgaga ggccaagctg ctctgtgaga tgggaggcaa aggacaacat cccctgtgac

121 atgagtttgc ttgtaaaaaa caaaatttac tttaaaatgt gctgtctggt gtgcactcct

181 tgccttgtag tatagatcat cagtaaaagc tttgctactg caagaacctt aagttcctga

241 ttgtttttac ggtagatggg tttcagcatg gggccgagaa ggggctttgt cccctgtttt

301 ggtggacacc agaggggtga taaaggagta gccaagggga acagagaaaa aataccttca

361 atggaagcag ataatagagc agtggtgatc ccaaaattat aattcctcag agagaaacta

421 gagagagctt tggggtttta cccaaatggg aatttgaatc aatttctcct gatctgaaag

481 ggctggaaaa atcctggagg atatccagat tacactagag aatctcaacc acctaccttg

541 atttttgtaa agaacaacgt tgtttgctag aactgaggaa aaggcgatgg cagagaagct

601 ttttaaaaat aaatctgaat atatcaacat gtacagtcaa ctaatttgct gacttcaaaa

661 tagcgtgatg aaactctttg cctgttaaac ctattattgc ccataatgaa agattccata

721 tgcactaatc acaacataca gccttatgtc tgatcatagc ttctaaaaaa tcatgataca

781 gggattttta gttatactca acacattttt cctttagaaa ctggattggt tgttacagat

841 gccatgaatg atataaattg agcttatagt tggaagaaat ctaaaggatc aagcatccct

901 gagtttcaaa cagaaacttg cactgaatac attcaaaggt atgtggattt tatttataat

961 ttgatatcct ttttattgtg cttatttctt tctctgcatt tcttttaaaa gatataaatg

1021 tattctacat ttctaatact atatgccatc aatagttact ttttagttgg cccataatta

1081 aattagactc tgattactga aatgattttt aactttataa tgcaacaaag tgcttgtcta

1141 attccaaagg tctttcttgg ccacatttca cagtaaaata tttattttaa ttaattatcg

1201 attaaagtaa aaataataca ttcacaggct gtgatctact actttgaaaa gctttttatt

1261 taattacata aaatagaacc atccatgaag tgttttttct cattaaccca aacaaacaaa

1321 caaacaaaaa acaaatttag gagttagaaa actttagtgt acttttcata gacagcatta

1381 tcacatgtaa tattcacttc ttatacaaaa tttaaggtct ttcttctgac agttttccca

1441 gtaatttgtg ccacaaatca atgtgcacat tttaggagga cctgttttgc ttaatgtccc

1501 aagggtctta tttatagaat aattacagtg caacatcaaa caaaatgaag attccattga

1561 aagaaaatga aacctcttag ggagaaagta ttcaaaattc attgaagaat cacataaaat

1621 tcgtaccatc ctctcctgtt ggttcagcca catcttttgc tccacaatct ggagctcaga

1681 gatgttactg gagggtcttg cctgaagttc tgtagatagg aatttctgga actaaaatct

1741 atcttggcaa attaatatat tttctcaaat gattagtcct tgtttttaac agtagcaatg

1801 tccaggtaga ctgtgcacga gacatttctg tgcctccttg ttctaaaatt ataaaatact

1861 gtgcactttg atgatcttcc caacctttag agccaacttt attcctttaa tcattaatta

1921 taaatacaat ttagcttcta tgactatggg ctgtataggc ataggaaaat ggcatgcaaa

1981 gtcatatgaa gatagatcat tcatgtccct gtaacttgtt tagccctcaa cctaaattaa

2041 atgcatcttt atcactactg tgactccaga aacaatgaaa taggctgaga gctggaaatc

2101 acatatgact gaagtaaatt cacaaacaat ggctccatcc ttcttactag caatagacta

2161 atgtagatta tgtgtgtttt atggagcatt cattacatcc atgtttcaga agagataaga

2221 aaagtggatg ttgacttaca tttcagaacc atcaagaaat ggggacctgg attttatttg

2281 cctgcctcct gggagcagct tttgccatgc ctgtgagtaa aacacccctt gcataagtca

2341 gtgtccaatt tcacaaactt ggacataaaa atctgcccat agttggtgaa attagggttt

2401 aaaacagtat gagatcagat gtcttcatat gtctctgggt tgaagaaaca cttcaggagc

2461 ttgttttaaa aaggtatatt ctcaaatgcc gctaccaaaa attctgattt ggtacagctg

2521 gggcggggcc caggactctg catttttata agcaccccag gagattctgt tggaactgtt

2581 agcttgtaaa tatcaccacc catctctaga tggaggaagc ttttggaagg gacccttgaa

2641 aggtctccag agaaagtgct taaccagctt tggacaaata ttacagagat gccagttttg

2701 tctaaaaccc aattcctctc aagattccaa atctcttcct gccctccaca tattgctgct

2761 cttacccctc agggggtaag atttttgtgt taggaatcca ctttttgagc cacattcctg

2821 ttctcagagg ccccacccct ttgggtacat ctgatgagta cgtgactttt ttgtggttgc

2881 ccgggatcct gcctacaccc aatacatagt gatatatttt atattcaaat gtattaaaga

2941 tcaggacatt agacccactc tgtctggaca caggtgcata agggcagaga acttagatca

3001 catgcacgcc aagcaggctg catctgcttt ttggtggaat aaagagcagt tgatacaacc

3061 agaagccagc aagcttgcac ccctgcctcc tctcttcctc tctcacccac aaaaccaaga

3121 ttctgtgctc tgacttcctg aaatcctgca ttgcagcgat tcctagtttc ctcaggggtc

3181 cctgccttac aaattcagcc cttttcccac tctctaagat ggtattgttc aagagggtat

3241 aggacctgac taaaaccatt cacatccaga tgagagagaa taaaccttcc catgaaatgt

3301 gagcattttt aaagaatata atagagccaa tcctaaatga ggccaatgtc tgagggagat

3361 tttctgcatg accgtctctc ctccctggac cccaggcaca accagagttc cacaatacag

3421 gcaccagaca cttgggcccc acttttgaga ggacagacag tcctgattca gatcatcatt

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3601 tgtttccact ttgctccacc catcttgttc tggcattcat caataattcc caccttgtgg

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4201 tctcccttcc tctctctttc tattctcctc ccctcctccc tgtaaaagct accacctcat

4261 cctgggcacc ctggttatat caacttcagc tatgaggtaa tttttctctt tactaatttt

4321 gaccattgtt tgcgttaaca atgccctggg ctctgtaaag aatagtgtgt tgattcttta

4381 tcccagatgt ttctcaagtg gtcctgattt tacagttcct accaccagct tcccagttta

4441 agctctgatg gttggcctca agcctgtgtc gtcccagcag cctcccgcct ggccactctg

4501 actcagtctg tcctcctaaa tatggccgta agcttaccca tcatgaacca ctactcaggg

4561 aggctccatg atagggcaaa aagtaaactc tgaccagctt ggttctaacc cagctagtaa

4621 aatgtaagga ttaggtaaga tgttatttaa aactctttcc agctcaaaaa actcctgatt

4681 ctaagatagt cacactctat gtgtgtctct tgcttgcctc tgctgaaata ttagtgacta

4741 agtggtatag gagagactcc gcagaacagc ggaatgcatg agttttggac gtcgggtttg

4801 aggttctcct caacctctta ctaactttgt gattttgggc aaatcatttc ctctttctgg

4861 aaccctggtt tcctcatctg gagaaaggaa ataattataa taaccatatt tcaaaatatt

4921 gtttggagag taatatagtt aatgaatatg aaaagtgctt tgtcaagtat aatatgagca

4981 aggttactga ttattttttg tatcgattaa atgccgtatt actatatgaa gaatcctcaa

5041 acctaaggct aaccaagtat atatactgtt cagaaaggaa taagattctt acttctctca

5101 caggttcagg taacaatcta tgagtttatt tacttataaa agctgaagac aaatgttagt

5161 aagattttga ggcaagattt tctgttgaac cgaaaagatt gacacatctg atcagtcaat

5221 ctgtgtttct aggatgaggg acagtgtttg cacctctctt tttcccattg tgacatcaaa

5281 gaaaaaaatg aaattaacat catgtcatat tattatgtca taattttgtg t

//

Amelogenin開始コドンATG終止コドンは TAA,TAG,TGA HUGO遺伝子シンボル: AMELX 分子量 : 23112 遺伝子地図軌跡 : Xp22.3-p22.1蛋白質シーケンス  AAL30432MGTWILFACL LGAAFAMPLP PHPGHPGYIN FSYENSHSQA INVDRTALVL TPLKWYQSIR PPYPSYGYEP MGGWLHHQII,APVLSQQHPPT HTLQPHHHIP VVPAQQPVIP QQPMMPVPGQ HSMTPIQHHQ PNLPPPAQQP YQPQPVQPQP HQPMQPQPPV,AHPMQPLPPQP PLPPMFPMQP LPPMLPDLTL EAWPSTDKTK REEVDDNAシーケンス AF436849AAAGGATCAA GCATCCCTGA GTTTCAAACA GAAACTTGCA CTGAATACAT TCAAAGAACC ATCAAGAA AT GGGGACCTGG ATTTTATTTG CCTGCCTCCT GGGAGCAGCT TTTGCCATGC CTCTACCACC TCATCCTGGG,ACACCCTGGTT ATATCAACTT CAGCTATGAG AACTCACATT CTCAGGCTAT CAATGTTGAC AGGACTGCAT TAGTGCTTAC,ACCCTTTGAAG TGGTACCAGA GCATAAGGCC ACCGTACCCT TCCTATGGTT ACGAGCCCAT GGGTGGATGG CTGCACCACC_AAAATCATCCC CGTGCTGTCC CAACAGCACC CCCCGACTCA CACCCTGCAG CCTCATCACC ACATCCCAGT GGTGCCAGCT,ACAGCAGCCCG TGATCCCCCA GCAACCAATG ATGCCCGTTC CTGGCCAACA CTCCATGACT CCAATCCAAC ACCACCAGCC,AAAACCTCCCT CCGCCCGCCC AGCAGCCCTA CCAGCCCCAG CCTGTTCAGC CACAGCCTCA CCAGCCCATG CAGCCCCAGC,ACACCTGTGCA CCCCATGCAG CCCCTGCCGC CACAGCCACC TCTGCCTCCG ATGTTCCCCA TGCAGCCCCT GCCTCCCATG,ACTTCCTGATC TGACTCTGGA AGCTTGGCCA TCAACAGACA AGACCAAGCG GGAGGAAGTG GATTAA AAGA TCAGAAGATG AGAGGGGAAT GAATACTTCA GATGCTTTCA GGAGTGACAC AAGAACACAA TGATTTTTGC,ATTATAATCAC TTTACTTAGC AAATTCTGTA ACTAAAAAAG TACCATTAGC AGACAATAAA ATGCATTAAA AATCA

後で述べますが,歯周病の再生蛋白のひとつと考えられている,1蛋白であるアメロジエニンでさえ,DNAシーケンスは沢山の塩基配列の違い,サイレント変異,ミスセンス変異,ナンセンス変異などSNPsが存在します.まして,幼弱ブタから抽出したアメロジェニンや牛から抽出された形態蛋白(BMP)やリコンビナントBMPがそのヒトと同じということはありません.
これらを厚労省が認可したとしましても,歯科医師として,科学者として充分に研究して患者さんに使うかどうかを考えるべきです.後世に,蛋白に変異がある子孫が生まれてくる可能性も拭いきれるだけのデーターはありませんので・・・.
現在はこんなに高分子ではなく必要な組織再生の開始コドン,言い換えますと最小単位の塩基配列を各大学で研究しています.

2) DNAから蛋白ができる

細胞内では,細胞内液を仲立ちにして,遺伝子に基づいてアミノ酸を作り,さらにアミノ酸をつなげてタンパク質などの様々な物質が構成されます.条件が整うと細胞は遺伝子をコピーして分裂し,増殖します.
DNAを構成する塩基(A・G・T・Cの4つの分子)の配列は,タンパク質をつくる遺伝情報として働きを持ち,この遺伝情報によってタンパク質の合成が行われます.
翻訳はコンセンサス配列の下流にあるメチオニン(M)から始まります / Mは開始コドン.このペプチド鎖の合成はトランスファーRNA(tRNA)によって行われます.
蛋白合成は細胞質中にあるリボゾーム( Ribosome / リボソーム )でおこなわれ,20 種類のそれぞれのアミノ酸をもった tRNA はコドンと相補的なアンチコドンを持っています.このアンチコドンが mRNA 上のコドン配列を認識して対応するアミノ酸を順に結合していきます.

このように遺伝情報は DNAー> RNAー>蛋白の方向に伝わります(セントラルドグマ).

(1) 細胞核の中でDNA2本鎖がほどけはじめ,塩基の配列が正確に伝令RNA(mRNA)に写し取られます.RNAでは、T(チミン)にかわってU(ウラシル)が使われます.
(2) 伝令RNAは核孔を通って核を出て,細胞質にあるリボゾームというタンパク質の製造工場にたどりつきます.
(3) 伝令RNAに写し取られた遺伝情報に従って,運搬RNA(tRNA)が決められた順番で20種類のアミノ酸を運んできてタンパク質の製造がはじまります.必須アミノ酸は20種類,内,人はを除いて17種類を合成でき,他のは食物から摂った栄養として補います.
(4)暗号は次々と解読されてアミノ酸が次々と結びつけられていきます.

蛋白が翻訳される際のDNA暗号は始まりを表す開始コドンは ATG で,蛋白生成の終わりを告げる,終始コドンは TGA,TAA,TAG のいずれかです.また,mRNAの暗号は始まりを表す開始コドンは AUG で,蛋白生成の終わりを告げる,終始コドンは UGA,UAA,UAG のいずれかです.
こうしてDNAの設計図どおりにタンパク質が製造され,伝令RNAに多数のリボソームが結合しタンパク質が合成されます.

RNA エディティング(RNA EDITING)は 遺伝子(DNA)の情報はRNAを介して正確に蛋白に翻訳されますが,一部の遺伝子はRNAの段階で塩基の置換が酵素によって行われます.これにはAPOBAリポ蛋白のC->U,グルタミン受容体ではAー>I(イノシン)への変換が行われています.この変換でアミノ酸配列が変わり,合成されたタンパク質の生理機能が変化します.

スプライシング

核をもつ生物の多くの遺伝子には,エキソンと呼ばれる直接的にタンパク質の構造を決定している部分とイントロンと呼ばれるエキソンを分断している部分が存在します.核内で前駆体型mRNAからイントロンを除去し繋ぎかえをする過程を,スプライシングと呼んでいます.

エキソンとイントロン

核をもつ生物の遺伝子DNAの多くは,エキソンとイントロンで構成されており,DNAの中で成熟型mRNAとなる領域をエキソンといいます.エキソンの多くはタンパク質のコードを担う領域で実際にアミノ酸を合成するための遺伝情報をもつ部分となります.(エキソンはヒトの場合,全ゲノムDNAの5%程度以下しか存在しないと言われています).細胞の中の核内で遺伝子DNAから転写された前駆体mRNAはスプライシングという巧妙な仕組みによって成熟RNAに変換され,その際にイントロン由来の部分のみが紡ぎだされます.
この結果としてエキソン由来の配列のみが成熟型mRNAに残り,成熟型mRNAからタンパク質が作られることになります.このことから「遺伝」にとっては,遺伝子DNA中のエキソン領域が特に重要だと一般的に考えられています.

mRNA / メッセンジャーRNA

DNA上に並んでいる遺伝子の情報をもとにタンパク質が合成される際,遺伝子が直接的に解読装置で読まれるのではなく,一旦その部分のコピーがとられ,そのコピーを解読装置が解読しています.このコピーをメッセンジャーRNA(mRNA)と呼んでいます.化学構造はDNAに良く似ていますが,DNAが安定しているのに比べてRNAは壊れやすい構造になっています.なお遺伝子によっては「一つのタンパク質の設計図」に相当する部分がいくつかに分割されている場合がありますが,その場合は全体を含む長いRNAが一旦作られたあと,繋ぎ換えがおこって(スプライシングと呼ぶ),設計図のところだけのRNAにプロセスされて解読されます.

ジャンクDNAの働き

ヒトのDNAうち,イントロンはかつては「がらくた」と一蹴された部分が、重大な役割を担っていることが明らかされつつあり,ヒトの進化の道筋を解明する貴重な手がかりが,そこから得られる可能性があります.
以前は研究者の間では,ヒトのDNAの97%は意味のない塩基配列の反復で,何の役にも立たないと考えられていましたが,ヒトゲノムの全塩基配列の地図化を完成させたセレラ社と国際ヒトゲノム計画の科学者たちは,ゲノムの約98.5%が反復配列であるとみています.
そのようであれば,DNAの反復配列が何かの役に立っているかもしれないという見方にはとても興味をそそられます.ヒトゲノムは32億の塩基対でできていて,それぞれ A・T・G・C という文字で表される塩基が結合してDNA連鎖を形成するが,この結合には AとT,GとC の2通りしかありませんので,こういったもののすべてが単なるがらくたとは限らないのではないかと考えてと逆説がありました.ゲノムの99%は遺伝子ではないという説と,3%は遺伝子としての意味があると見ている説があるが,依然としてジャンク(がらくた)DNAの有用性について結論は出ていない.しかし,DNAの反復配列はバッファ(緩衝)の機能を持っているとの報告もあると考えられてきました.
2005年9月2日・サイエンス誌に理化学研究所など11カ国の国際研究チームによると,RNA は DNA の遺伝情報を読み取ってたんぱく質を合成すると考えられてきたが,マウスの全遺伝情報(ゲノム)を解析した結果,これまでは何の役にも立っていないと考えられていたジャンクDNA部分から,RNAは遺伝子の発現を指令するなど重要な機能を持つ約23,000種類もの RNA が作られていることを発見しました.
ヒトの遺伝子の数はショウジョウバエとほぼ同じ約22,000個だが,実際にたんぱく質を作るのに必要なDNAはごくわずかで,ヒトは必要なDNAは全体の約2~3%に過ぎず,残りはジャンクとされてきました.
理研ゲノム科学総合研究センターではマウスのゲノムを詳しく分析し,計44,147種類のRNAが作られていることを発見し,このうちの53%に相当する23,218種類はたんぱく質合成に関与せず,遺伝子をいつ,どこで発現させるかを指令するなどの重要な役割を担っていると報告しています.ゲノムの少なくとも約7割がRNAに転写されていることも突き止め,こうしたRNAの機能の違いが,高等生物の精密な仕組みを明らかにする第一歩であり,複雑な生命活動を生み出しているとみられると報告しています.

プロモーター

プロモーターはその遺伝子を働かせるための前駆作用をおこなわせる部分で,開始コドンより先に,また,終止コドンより後に着いている遺伝子です.例えば,同じ蛋白でも牛のプロモーターと人のプロモーターは異なりますので,牛から抽出した蛋白を人に入れても,同じように直ぐには働きません.このように,プロモーターを解読することが重要で,今,解読の最中です.

4) 染色体の異常は

性染色体異常

染色体の異常で性染色体の数が変わることがあります.クラインフェルター症候群では2つのXと1つのYをもつ男性が生まれます(XXY)。またターナー症候群では1つのXだけでYを持たない女性が生まれます(XO).

常染色体異常
ダウン症候群(Down syndrome):21番染色体が3つあり(トリソミー),心疾患や神経症状を伴います.

性決定:X染色体の数は性別決定に関係なく、Y染色体を持つかどうかが性別決定に重要なことがわかっています。この性別決定にはY染色体の末端付近にあるSRYという遺伝子が関与しています。SRY遺伝子の塩基配列は性別判定の検査にも利用されています。(例外として染色体のクロスオーバーによってSRYがXに移動するとXXの子孫でも男性的な特徴をもち、また何らかの原因でSRYをYから失うと子孫はXYでも女性的な特徴を持ちます。)

X染色体の不活性化(X inactivation)

染色体上の遺伝子は発現して蛋白となりますが、X染色体を2つ持つ女性がXを1つしか持たない男性に比べて2倍量のX染色体遺伝子を発現することはありません。これは受精後の初期段階で女性の2つあるX染色体の片方が不活性化され、この染色体からの遺伝子発現が抑制されるからです。これをX inactivationと呼びます。X染色体が2個以上あっても1つをのぞき、他はすべて不活性化されます(実際にはX inactivationを逃れる遺伝子もあります)。不活性化されたX染色体は顕微鏡でみるとバール体(Barr body)と呼ばれるかたまりに見えます。

どちらのX染色体が不活性化されるかはランダムですが、一度不活性化されるとその後の細胞分裂でもこの不活性化は保たれます。よって体のある部分では父親由来、他の部分では母親由来のXが不活性化された細胞集団が存在するようになります。

X染色体の不活性化にはXistという遺伝子がかかわっています。この遺伝子の発現によって片方のXが不活性化されます。

X不活性化の具体的な例として三毛猫があげられます。三毛猫は基本的にメスだけです。これは白斑(劣性)をつくる遺伝子以外にX染色体上に茶色(優性)と黒(劣性)の毛をつくる遺伝子があり、体表のそれぞれの場所でどちらのX染色体が不活性化されるかでその部分が茶色になるか黒になるかが決まるからです。正常のオスはXを1つしか持たないので茶と黒のモザイクにはなりません。ごくまれにオスの三毛猫も生まれますがこれはXXYという染色体パターン(ひとのクラインフェルターにあたる)を持っています。

インプリンティング(Genomic Imprinting)

常染色体上の遺伝子は対になっているそれぞれ(母親と父親由来)に同じ遺伝子コピーを持っており(biallelic)、それぞれが発現して蛋白となっていますが、例外的に父親または母親由来の片方しか発現しない遺伝子があることが知られています。これらの遺伝子は遺伝的に刷り込み(インプリンティング)されており、父親か母親由来のどちらだけが発現して蛋白になるかが決まっています。インプリンティングにはDNAのメチル化が関係しているといわれています。

インプリンティングの例:

(1)IGF-IIという遺伝子は父親からのもののみ発現し、母親からのものは発現しません(脳内では両方からのコピーが発現しています)。

(2)プレイダー・ウイリィー症候群(Prader-Willi syndrome)とエンジェルマン症候群(Angelman syndrome):この2つの病気は全く異なった症状を示しますが、ともに第15染色体の部分欠損(15q11-13)が関係しています。父親由来の染色体からこの部分が欠損するとプレイダーウイリィー症候群、逆に母親由来の染色体部分が欠損するとエンジェルマン症候群になります。

(3)インプリンティングと体臭:女性がある男性の体臭を不快に感じるかどうかは父親由来のHLAのタイプによります(Nature Genetics, 2002)。

3. 遺伝子の変異

遺伝子の変異
DNAのメチル化(Methylation) : ほ乳類のシトシン(C)の3%はメチル化(CH3が付く)されています。このメチル化はCpGというCとGが連続した場所に多くみられ,CpGの80%ぼどがメチル化されています。ゲノム上でCpGが高密度に存在する場所をCpGアイランド(Island)といい、遺伝子発現の調節、癌、インプリンティング等に関係していると言われています。一般的にCpGアイランドのシトシンはあまりメチル化されておらず、それ以外の部分のCpGはメチル化されています。おもしろいことに酵母、線虫、ドロソフィラ(ハエ)のゲノムは全くメチル化されていません。通常の塩基配列決定法ではメチル化は検出できないので、メチル化に敏感な制限酵素や化学的な方法で検出する必要があります。

DNAのメチル化部位は遺伝子変異の好発部位になります.これはメチル化されたシトシンはチミン(T)に化学的変化を起こしやすいためです.ひと個人の染色体上には1000塩基対に1つ遺伝子配列の違いがあると言われています.これを1塩基多型性 (Single nucleotide polymorphism : SNP) と呼びます.SNPはひと個人間の薬の効き方の違い等に関係している.また,乳ガンに関係した遺伝子BRCA1にはこのメチル化部位が変異を起こしている例が報告されていますように,癌化の原因のひとつに考えられています.人類間では約300万の SNPs があると考えられています.

1) 小さな変異・点突然変異:一つの塩基が置換して生じる変異

野生型: ある集団の中で大多数をしめる形質 GUA  UUA  UAC  GAUVal  Leu  Tyr  Asp 変異による異常
a) サイレント変異 GUA  CUA  UAC  GAUVal   Leu  Tyr  Asp なし
b) ミスセンス変異 GUA  UUA  CAC  GAUVal   Leu  His  Asp 消失・低下・(なし)
c) ナンセンス変異 GUA  UUA  UAG  GAUVal  Leu  Stop  Asp 消失
d) フレームシフト変異 GUA UUA  UCA  CGA  U…Val  Leu  Ser  Arg 消失
e) スプライシング異常 置換によりスプライシングを行う酵素が 認識できない 消失・(低下)
f) 遺伝子調節領域異常

SNPs (ナンセンス変異 ) と癌化

ひとつ怖いものに, SNPsにも癌化があるという事実です.
ラットのザルコーマ細胞(上皮癌)からみっかつた遺伝子が,ヒトの12番染色体上腕にある K-ras と呼ばれる遺伝子と配列が1字違いなだけなのです.しかし,1字違っても癌化です.
K-ras 遺伝子は,数多く並ぶアミノ酸配列(コドン配列)の中で,12番目のアミノ酸であるグリシンがバリンに変化しただけ,塩基配列では GGC が GTC に一字置き代わっただけの,まさしく,1塩基置き代わったナンセンス変異のSNP です.たったこれだけで,生体の他の細胞との共存がなく,細胞死のない無限に増殖する癌細胞に置き換わり,生命を死に追いやるのです.

コドン 9 10 11 12 13 14
正常細胞 GTCバリン GGCグリシン GCCアラニン GGCグリシン GGTグリシン GTCアラニン
癌細胞 GTCバリン GGCグリシン GCCアラニン GTCバリン GGTグリシン GTCアラニン
コドン 9 10 11 12 13 14

このようなコドン配列を観る限り,安易に,且つ,必要以上に生体に他の蛋白を導入することに疑問がでます.また,生か死かの選択を迫られれた場合はいかしかたないこともありますが,移植にはその人に合ったコドン配列を持つ蛋白を導入させることができるように,科学者は研究を重ねていく必要があります.

2) 大きな変異

a) 欠失 : 染色体の一部が切れて失われる,
b) 挿入 : 染色体に他の部位の染色体が付着する,
c) 重複 : 染色体の一部で同じものが重複している,
d) 逆位 : 染色体の一部が切れて方向が逆になってつながる.
e) 3塩基リピート.

フレームシフト変異と白血病
染色体の下腕が入れかわっていることで,相互転座(フレームシフト)をいいます.
例えば,白血病はアフリカと日本に多く,日本では鹿児島と長崎が多いと言われています.DNA解析がされるまでは一種の風土病と考えられた次期もありました.これは成人T細胞白血病・リンパ腫は HTLV-I というレトロウイルスによるものです.
我が国での急性白血病の発症頻度は人口10万人あたり約6人で、成人では骨髄性白血病が80%以上を占めます。正常な骨髄は白血球・赤血球・血小板などに分化しますが,急性白血病は芽球が癌化して骨髄では腫瘍化した白血病細胞で占められるようになり、正常な血液細胞がほとんど造られなくなります。
原因は不明ですが,遺伝子学的には急性前骨髄球性白血病は15番染色体と17番染色体の相互転座(フレームシフト)により白血病の原因となる PML/RARαが作られること,慢性骨髄性白血病は9番染色体と21番染色体のフレームシフトに関する解析も進んでいます.その他に,フレームシフトによって作られる融合遺伝子が産生する蛋白BCR/ABLにおいて,ABLが本来もっているチロシン・キナーゼの働きが恒常的に活性化され,結果として細胞が死ににくくなって白血病という診断がつくのです.
治療法は http://pathy.med.nagoya-u.ac.jp/leukemia/, http://search.ncc.go.jp/scripts/infobee/bin/result.cgi まで

構造変異

Patchwork people ,Nature Vol.437(1084-1086)/20 October 2005より

C. DARKINはこれまでひとりひとりの形質を作り上げているのは、遺伝子構成上の小さな差であると長く考えられてきましたが,実際には、個人の特徴はDNAの大きな領域の再編成によって決まるようです.いろんな難病のカギとなりそうです.

「ゲノム配列のテキストは、地球上のあらゆる人間で事実上同じだと考えられた。たとえば髪の色などの目立った個人差も、せいぜい1文字程度の誤植によるちがいでしかないのだと解釈された。そして研究者たちが取り組む次の大仕事は、そういった小さな誤植(差異)のうち、疾患に関連するものを見つけだすことだとされた。しかし、ひとりひとりのゲノムをざっと読んだところ、奇妙で意外な不規則性が見つかったのだ。テキストのパラグラフ全体が重複している人がいるかと思えば、テキストのかなりの部分が欠落していたり、逆向きに印刷されていることさえあった。あらゆる種類の人々で行われており、一見して健康で正常な多くの人々も例外ではなかった。
研究者たちは、ゲノム上のこうした大きな変異を人間の健康や疾患に結びつけようとしはじめている。いまでは、ヒトゲノムは単数形ではなく複数形で表記されるようになっている」と、オックスフォード大学(英国)でゲノム科学を研究するChris Pontingは語る。

大きな変異は従来、深刻な遺伝病と関連づけられてきた.DNAのまとまった領域が欠失すると、重要な遺伝子が除去されることになる。遺伝子のコピーが余分に存在すれば、タンパク質の過剰な産生につながり、細胞内で微調整される生化学的なバランスが崩れてしまう。また、ある程度の長さのDNA領域が別の場所へ移動したり、DNA領域の向きが逆転したりすると、遺伝子を制御するシグナルを大きく変えてしまう恐れがある。こうした変異の多くについて、現時点では明らかな疾患との関連はわかっていない。しかし研究者たちは今、こうした変異が微妙な役割を果たしているのではないかと考えるようになっている。」

遺伝子病

単一遺伝子型遺伝子病 (メンデル型)

A.変異が限局している例:遺伝子診断⇒特定部位の変異のみを検査すれば判断できる

APRT欠損症 – adenine phosphoribosytransferase -

突然変異箇所 コドン136 ATG ・ ACG (Met ・ Thr)
コドン 98 TGG ・ TGA (Trp ・ Stop) この2種変異が全変異の89%を占める。

軟骨無形成症 (小人症の一つ)

FGFR3 – fibroblast grows factor receptor 3 – の異常

繊維芽細胞  成長  因子  受容体
突然変異箇所 コドン380 GGG ・ AGG (Gly ・ Arg) 変異の93%を占める。
コドン380 GGG ・ CGG (Gly ・ Arg) 変異の3%を占める。

B.変異が多彩な例:遺伝子診断にむかない

(a)Lesh-Nyhan 症候群

HPRT 欠損症 – hypoxanthine guanine phosphoribosyltransferase – プリント2参照のこと

C.3塩基リピート型遺伝子症 遺伝性の精神・神経変性疾患の原因として研究されている。

ハンチントン病など
それまでは脳の異常部位を採取してその病気が発症しているのかそうでないのかを判断していた。遺伝子が同定されることにより脳を採取しなくても血液から判断できる.しかも発症前に予知できる.
発症前診断:白血球のDNAを調べる.赤血球は無核.

メンデルの法則に反する特徴を持つ.

・疾患を伝えた親の性によって次世代の重症度が異なる。

病名 遺伝子座位 トリプレット リピート 反復位置 反復回数健常者 反復回数患者 コードするタンパク質 より重症となる親の性
ハンチントン病 4p16.3 CAG エクソン 6-36 42-121 ハンチンチン
歯状核・赤核淡蒼球ルイ体位縮症 DPRKA 12p13.3 CAG エクソン 8-35 49-88 DPRLAタンパク
フリードライヒ失調症 9q13 GAA イントロン 7-22 200->900 フラタキシン 差はない
脆弱X症候群 Xq27.3 CGG 5′-非翻訳領域 6-52 230->1000 RNA結合タンパク
筋緊張性ジストロフィー 19q13.3 CTG 3′-非翻訳領域 5-37 50->1000 ミオトニンキナーゼ

・世代を経るごとに発症年齢が若年化する。

家族性高コレステロール血症

遺伝子型 血中コレステロール(mg/l) 備考
AA 600-1000 重症・致死.子孫は残せない
Aa 300-500 罹患者の大半を占める
aa 130-220 正常

Aa X aa=(Aa+Aa+aa+aa):子どもの二人に1人が発症

多因子型遺伝子病 高血圧・糖尿病

量的形質=連続形質:形質量は集団の中では連続した値をとる。(正規分布する)
量的形質も遺伝子に支配されているとすると、次の2つの仮説により多因子型遺伝子病を説明できる。

仮説   ・同義遺伝子:個々の遺伝子の作用は小さいが、効果は等しい。
・相加遺伝子:遺伝子全体の効果は個々の遺伝子の総和に等しい。

例; 本体性高血圧 (仮に5個の遺伝子によって決定されるとする)

●血圧上昇(多いと高血圧) ○血圧下降(多いと低血圧)

染色体異常型遺伝子病

染色体異常;1)数の異常:トリソミー・モノソミー
2) 構造異常

ダウン症候群 21番染色体トリソミー 60-1500に1人
18-トリソミー症候群 18番染色体トリソミー 6000-9000に1人 1:4で女子に多い
13-トリソミー症候群 13番染色体トリソミー
ターナー症候群 X染色体モノソミー 女子の2000に1人
トリプルX女性 X染色体トリソミー 女子の1000のに1人
クラインフェルター症候群 XXY 男子の1000に1人
XYY男性 XYY 男子の1000に1人
猫なき症候群 5番染色体短腕欠失 40000-50000に1人 女性に多い
ウォルフ症候群 4番染色体短腕欠失

染色体異常の原因

卵子のageing
ウィルス感染
放射線・X線
発ガン性・催奇性を有する物質

2) 多段階発癌

組織の中のひとつの細胞が別の細胞に変異し,その変異した細胞が分裂して集団を作ります.口の中では歯肉の白板症がそれです.また,変異した集団の細胞から癌化した細胞が生まれ,その部分に癌細胞が広がっていく,そのように段階的に変異していき,やがては癌化することをいいます.原因はウイルス,DNA鎖の切断と不完全な修復,細胞の老化,変異を促す物質などの因子が考えられます.しかし,多段階発癌過程を否定する論文もありますが,歯肉の白板症などは前癌症状と言われていますので,これに当てはまるのではないでしょうか.

3) ミトコンドリアの遺伝子* 発ガン性・催奇性を有する物質

ミトコンドリアはATPを産生し供給する.大きさは1μ以下で,外膜と内膜からなる二重膜構造をしている.哺乳動物の肝細胞では1細胞あたり1,000~2,000個存在し,細胞内容積の約20%を占めます.筋線維でのそれは約4%とされています.生体に取り込まれた O2 は細胞内のミトコンドリアで供給されATPに変わると同時に,新陳代謝時の酸素の約2~3%不安定な酸素分子 ( O2-,1O2 ,OH・,H2O2 )の活性酸素がつくられる.

母性遺伝
ミトコンドリアDNA はそのまま母から子へ受け継ぎ,全世界で約182種類

ミトコンドリアはATPを産生し供給する.大きさは1μ以下で,外膜と内膜からなる二重膜構造をしている.哺乳動物の肝細胞では1細胞あたり1,000~2,000個存在し,細胞内容積の約20%を占める.筋線維でのそれは約4%とされている.
ミトコンドリアDNAに関連した機能ミトコンドリアのアポトーシスへの関与 アポトーシス時にミトコンドリアよりアポトーシスシグナル伝達因子cytochrome c やAIFが放出される(Bcl-2はその流出を抑制することにより細胞死を抑制)活性酸素(酸素毒)生体に取り込まれた O2 は細胞内のミトコンドリアで供給されATPに変わると同時に不安定な酸素分子 ( O2-,1O2 ,OH・,H2O2 )の活性酸素がつくられる.新陳代謝時の酸素の約2~3%. 母性遺伝受精後直にミトコンドリアDNA はそのまま母から子へ受け継ぎ,父のミトコンドリアDNA は消滅する.全世界で約182種類しかない.このルーツを探ると,20万年前のアフリカの母に行き着く.ただ,この説には疑問視もあり,ヨーロッパの人種は新人類,クロマニヨン,ネアンデルタール人の遺伝子誤差範囲 / SNPs 範囲内であるという説(サイエンス誌)

遺伝子組み換え食品

私たちが食べている生物由来の食品も必ず遺伝子を持っています.例えばキャベツはキャベツの遺伝子を持っていますし,豚肉には豚肉の遺伝子を持っています.これらを食べることで遺伝子を食べていることになります.でも,私たちがキャベツを食べた=遺伝子を食べたからといって,私たちの体の細胞の中にそのまま入って体を緑色にしたりすることはありません.なぜなら,遺伝子を作っているDNAはそれがキャベツ由来のものであれ,豚肉由来のものであれ,4種類のヌクレオチドを消化分解して,血液で体内に運ばれて,栄養となるからです.
これは,遺伝子組み換えで植物の中に入れられた遺伝子についても同じと考えられています.ただ,遺伝子組み換えした野菜畑でその畑にいる特有の虫や蝶が,消化できずに死んでいるのも事実です.生物が進化の中で自然に組み替えてきた遺伝子やミトコンドリア遺伝子と遺伝子組み換えによるものとでは,何らかの情報伝達の違いがあるのかもしれません.これからの研究課題です.
特定の除草剤をかけても枯れない遺伝子を組み込んだり,殺虫毒素をもつ微生物の遺伝子を組み込んだ大豆やナタネ、トウモロコシ、ワタなどがアメリカやカナダ、アルゼンチンで栽培されています,日本に大量に輸出され、そのほとんどが表示のないままに日常の食卓に上っています.
食べ物としての安全性は不確実、免疫力を低下させるという実験結果もあり,アレルギーの心配もあります.生産地では遺伝子によって環境に悪影響を与えている報告もあります.賛否両論ってとこでしょうか.

遺伝子組み換え食品のまった意見は http://www.no-gmo.org/gmguide/gmguide.htm

4) SNPs / single nucleotide polymorphism

遺伝子の本体は DNA(デオキシリボ核酸)で 4種類の塩基という化学物質が暗号文字となって,二重らせん構造に連なっていることは,先に述べています.
この塩基の並び方が1カ所異なる場所を「一塩基多型」といい,英語の頭文字をとりSNP(スニップ)あるいは複数形でSNPs(スニップス)と呼ばれています.1000個に1個程度の割合で存在し,日本人には日本人特有のSNPがあると考えられています.世界中の人々の間でこのSNPsは最大で300万カ所あると報告されています.
ヒトは遺伝子の塩基配列に基づき,様々なタンパク質を体内で合成していますが,SNPによって特定のタンパク質が作れなかったり,他人と違うものを作ったりします.これが顔つきや体形などの個人差,民族差ももたらすと言われています.
例えば,アルコール耐性の差や煙草による毒性の出現頻度,薬剤感受性の違いや肥満傾向ほか病気のかかりやすさや薬の効き方に関係することから,オーダーメイド医療の観点から最も注目を浴びています.

4. 遺伝子と癌

1) がんの原因
2) がんの治療
癌抑制蛋白

よく使われる遺伝子に関する用語

DNA デオキシリボ核酸 の略語で,A・T(U)・G・Cの4つの塩基とそれらを連鎖するポリメラーゼから成る.
遺伝子 臓器や血液などを造っているゲノムDNA上の1つのタンパク質の設計図に相当する部分.疾病や老化に係わる遺伝子,免疫や記憶に係わる遺伝子,さらにはDNAに書かれた符号を解読する装置の遺伝子などが含まれています.
遺伝情報 親と同じ生物をつくるために必要な情報でDNAの塩基配列に符号化されています
ゲノムDNA 親と同じ生物をつくるために必要な全ての情報を含むDNA
遺伝暗号 タンパク質の設計図はアミノ酸配列と数を指定する情報からなり,この情報を遺伝暗号といいます.遺伝暗号は微生物からヒトまで共通ですが,どのタンパク質を,いつ,どこで,どれだけ作るかという発現制御の情報は生物によって異なります.
mRNA DNA上の遺伝子情報をもとにタンパク質が合成される際,遺伝子が直接,解読装置で読まれるのではなく,一旦その部分のコピーがとられ,そのコピーを解読装置が解読しています.このコピーをメッセンジャーRNA(mRNA)と呼んでいます.
cDNA mRNAの塩基配列をもとにしてつくられたDNAで,相補的という意味の(complementary)の”c”をとってcDNAと呼びます.
cDNAライブラリー解析 細胞から全部のmRNAを取り出し,cDNAに換えた混合物をcDNAライブラリーと呼びます.原理的にはcDNAライブラリーを解析すれば細胞が作っているタンパク質の設計図を全て解読できることになりますが,細胞の種類によって作っているmRNAの種類や量が異なり,また長いcDNAを作ることは技術的に大変難しいので容易ではありません.
ORF 遺伝暗号ではコドンと呼ばれる3つの塩基の組み合わせに対応する各アミノ酸が結合されてタンパク質がつくられることにより翻訳(「RNA→タンパク質」)されます.このアミノ酸合成の開始コドンから終止コドンまでの遺伝子の読み取り枠をOpen Reading Frame (ORF)と言います.
ジャンクDNA イントロン等はかつては「がらくた」と一蹴された部分が,DNAの反復配列はバッファの機能を持っている可能性があり,ヒトの進化の道筋を解明する貴重な手がかりが得られる可能性があると考えられている.しかし,依然としてジャンクDNAの有用性について結論は出ていない.
遺伝子工学 (遺伝子操作) DNA鎖を特異的に切断して遺伝子などを切り出し,繋ぎ変えたり,遺伝暗号を書き換えたりすること.一旦改変した遺伝子(DNA)は組換えDNA技術によりクローン化し増量するので、全行程を含めて遺伝子工学あるいは遺伝子操作と呼ぶことが多い.
組換えDNA技術(実験) 遺伝子工学の技術を用いてある生物のDNAを切り出し,他の種類の生物に注入して働かせる技術.発現制御の情報(いつ、どこで、どれだけ作るという情報)や解読装置が高等生物と微生物では違うので,簡単にはできないことがわかってきました.微量のDNAを増量して構造を解析したり,遺伝子の働きを調べたりすることが可能になりました.
DNAマーカー 膨大なDNAの塩基配列の中からある生物の特定の遺伝子を探し出す際の目印となる特徴的な配列部分を言います.
DNAチップ/DNAマイクロアレイ 小さなチップ上に数千から数万種類のDNAの断片を精密機器(アレイヤー)で固定したもので,この遺伝情報が組み込まれているDNAチップを用いる技術は,現在のDNAの研究には欠かせないものです.DNAチップを用いた実験の目的は、DNAの配列がどうなっているかを一度に決めてしまう,たくさんの遺伝子がどれくらいの活発さで機能しているかを一度に調べるのが目的です.
クローン 遺伝的に同一な細胞や個体あるいは特定の遺伝子型を持った均一な細胞群のことで,ギリシャ語の切り枝や挿し木の意.クローンを作ることをクローニングといいますが,DNAクローニングとは、特定のDNAを大量に増やすことを言います.
ベクター ベクターはヒトや動植物・微生物などの遺伝子を取り出して,大腸菌あるいは他の細胞のDNAに組み込む際の運び屋の総称です.ベクターにはプラスミド(細菌の染色体とは独立して自己複製する環状二本鎖DNA分子)に組み込まれたものや増殖機能の利点をいかした細菌,ウイルスから作られたものなどがあります.
制限酵素 DNAを手ごろな長さに切断するときに用いられるのが制限酵素です.制限酵素は二本鎖DNA上の標的となる特定の塩基配列を認識し,その配列の内部あるいはその近傍でDNA鎖を切断する性質を持っています.制限酵素は多種ありますが,それぞれ特定の塩基配列にしか反応しない特徴を持っています.
逆転写酵素 RNAを鋳型として相補的なDNAを合成する酵素を「逆転写」酵素といいます.DNAを鋳型としてRNAを合成する「転写」の逆反応であるためこの名があります.逆転写酵素は遺伝子クローニングで、mRNAを鋳型としてcDNAを作る際に繁用されています.
PCR法(ポリメラーゼ連鎖反応法) 特定のDNA の断片を大量に増やす手法で,ポリメラーゼ連鎖反応法とも呼ばれています.DNA を複製する酵素であるDNAポリメラーゼを利用して,特定のDNA領域だけを増幅し,検出できます.特定DNA領域を数10万倍に増幅できるため,増幅遺伝子工学やDNA鑑定などで重要な役割を果たしています .
プライマー PCR法において,DNAを複製するときに使われる20~30塩基の短いDNA断片やRNAのことで,プライマーは増やしたい部分の上流に結合する塩基配列を持つもので,PCR法の連鎖反応開始起点ともなるものです.
DNAシーケンサー DNA塩基配列自動決定装置.クローン化,または,PCR法によって増殖されたDNAの塩基配列を蛍光色素を利用して読み取っています.
プロテオーム protein(タンパク質)と ome(すべての)を融合して作られた造語(proteome)で,細胞の活動に必要な全タンパク質を指す用語として用いられます.細胞内の全遺伝子を意味するゲノムに対して提唱された概念です.プロテオーム研究では種々の生物種において組織・生育時期特異的に発現しているタンパク質のデータベースを作り上げ,病気の治療や医薬品の開発,環境問題や食料問題を克服するための有用植物の作出等につなげるのが主な目的とされています.
プロテオミクス プロテオミクスとは生体内の細胞や組織が作り出すタンパク質の集合体(プロテオーム)の全体像を解明する試み,あるいは,プロテオームを研究すること・またその方法論を指す用語として用いられます.
バイオインフォマティクス バイオインフォマティクス(bioinformatics)とは生物学(biology)と情報科学(informatics)の造語であり,生物学で集められた実験データ等を情報科学を利用して新しい知識を発見する学問のことです.ゲノム研究の結果,これまでに大量のタンパク質の配列・DNAの配列がデータベース化され,今なおデータを蓄積し続けています.生命科学と情報科学を合体させて,コンピュータの中で生物学の研究をすることにより,今までできなかったような研究開発をしていく新しい分野です.
オーダーメイド(テーラーメイド )医療 個人の遺伝情報をもとに個人の体質や病気をよく知った上で,少しでも個人の状況に応じた医療を提供しようと考えるものです.例えば,SNP(スニップ)などを解析することで,個人の体質にあった健康管理や医薬品の処方を行おうというものです.
ゲノム創薬 ゲノム情報を活用し,医薬品を作る方法を「ゲノム創薬」と言い,ガンや糖尿病,高血圧症など複雑な遺伝的要因が関連していることが明らかになっている病気を個人間のゲノム情報の違いとの関連において理解することで,効果的で副作用の少ない医薬品の開発に至れるのではないかと考えられています.また,今まで知られていなかった遺伝子から作られるタンパク質の立体構造を解明し,その構造を基にして化合物を設計し,薬を効率よく創ることもゲノム創薬の重要な課題です.
ウキペディア http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%81%BA%E4%BC%9D%E5%AD%90

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